
サークルの同窓会で、俺が本心と逆の冗談を彼女に言ってしまった理由
コラム
頭を下げたあとに言えなかったこと
帰りの駅のホームで、冗談で済むと思っているのかと彼女に聞かれました。自分の笑い方が昔から好きではないと知ったのも、その時が初めてです。座敷でずっと口元に置かれていた手の意味を、そこでようやく考えました。しばらく足元を見たあと、頭を下げました。
「ごめん。みんなの前で言っていいことじゃなかった」
理由を聞かれ、逆のことを思っていたとだけ答えました。逆って?と重ねて聞かれ、小さな声で言った言葉は、通過する快速電車の音にかき消されたようでした。聞こえないと言われ、電車が行ったあと、ホームに響く声で言い直しました。
「笑うとかわいい」
次の瞬間、彼女が声を上げて笑いました。彼女の笑い声を聞いたのは、付き合って3年で初めてでした。口から出たのが、カウンターで同期が言ったのと同じ言葉だったことは、言えないまま電車に乗りました。
そして...
数日後、サークルのグループチャットに届いた次の集まりの案内。2人で参加します、と返信を打ちながら、カウンターでの話をいつ切り出すかは決められずにいました。
(20代男性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)





























