
「手作りじゃないの」と親子遠足のおやつを笑ったママ友→バス酔いの帰り道、救ったお菓子
コラム
幼稚園の門の前で、ママ友が私の手元のスーパーの袋をのぞき込みました。中に入っていたのは、息子と選んだ遠足のおやつ。ママ友が口にしたのは、ほんの短い言葉でした。その言葉は、遠足の日まで頭の片隅に残り続けました。
園の門の前で言われたこと
ママ友とは、子ども同士が同じ年中クラスで、年少の頃からお迎えのたびに立ち話をする仲でした。袋の中身は、グミと小袋のスナック、それにいつものレモンの飴。どれも親子遠足の3日前、お迎えのあとに園の向かいのスーパーで、息子が自分で選んだ市販のお菓子です。店を出て門の前を通りかかると、娘さんを遊ばせていたママ友と目が合いました。
「手作りじゃないの」
ママ友はそう言って、少しだけ笑いました。どういう意味なのか、表情からは読み取れませんでした。「うん、今回はこれで」とだけ返し、袋の口を折りたたみました。
帰り道、袋を抱えて歩く息子の横で、ママ友の言葉を何度も思い返していました。手作りのほうがよかったのだろうか。台所の棚にしまったクッキー型を思い浮かべてはみたものの、息子がうれしそうに選んだお菓子を入れ替える気にはなれませんでした。
通路の向こうから聞こえた声
親子遠足の当日は、園から親子でバスに乗り、大きな公園へ向かいました。お昼のあとのおやつの時間、ママ友はシートの上に手作りのクッキーが入った箱を広げていました。息子はグミを1つずつ友達に配っていて、私は少し離れたシートからそれを眺めていました。門の前でのことは、どちらも口にしないまま。
帰りのバスでは、通路を挟んだ隣の席にママ友と娘さんが座りました。走り出してしばらくすると、窓にもたれていた娘さんが小さな声で言いました。
「ママ、きもちわるい」
ママ友は足元の保冷バッグを開け、クッキーの箱を取り出しました。娘さんは首を横に振りました。ママ友が水筒を差し出しても、娘さんは口をつけようとしません。ママ友はバッグを何度も開け閉めしていました。
私は、息子のリュックの外ポケットに手を入れました。
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個包装のレモンの飴





























