
「手作りじゃないの」と親子遠足のおやつを笑ったママ友→バス酔いの帰り道、救ったお菓子
コラム
個包装のレモンの飴
指先に触れたのは、個包装のレモンの飴でした。乗り物に弱い息子のために、出かけるときはいつも入れているものです。
「よかったら、これ」
通路越しに2つ差し出すと、ママ友は私の顔と飴を交互に見てから受け取り、小さく言いました。
「ありがとう」
包みを開けてもらった娘さんは、飴を口に入れ、窓の外を見ながらゆっくり転がしていました。しばらくして聞こえてきたのは、ママ友の肩に頭を預けた娘さんの寝息。ママ友はクッキーの箱を膝にのせたまま、園に着くまで窓の外を見ていました。
そして...
遠足から数日たったお迎えのとき、門の前でママ友に声をかけられました。
「この前はありがとう。あの時ね、」
そこまで言ったところで、園庭から娘さんが走ってきました。手を引かれたママ友は小さく手を振り、そのまま門を離れていきました。
次の行事でも、息子はきっとスーパーでおやつを選ぶのでしょう。手作りじゃないのと笑ったあの日と、飴を受け取ったあの帰り道。ママ友が言いかけた続きは、どちらの日につながっていたのでしょうか。
(30代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)































