「今日も残業」と送り続けた俺。定時後に通っていた駅前のカフェで、妻に言えずにいたこと

コラム

同僚にエレベーターで「今日早いな」と声をかけられた日、妻から届いたのは「今日、定時だったんだよね?」。

駅前のカフェの壁際の席で、問題集を広げるのが定時後の決まりでした。妻に「今日も残業」と送ったあと、ここで2時間ほど過ごしてから帰っていました。そんな日が、もう3週間。その一言を妻に疑われる日が来るとは、思っていなかったのです。

受かってから話すつもりだった

俺が目指しているのは、去年落ちた資格試験です。去年は受けると妻に宣言し、勉強する日はごはんの時間を遅らせてもらっていました。結果は不合格。報告すると、妻は「また来年があるよ」と笑ってくれました。責める言葉が1つもなかったことが、かえってこたえたのです。今年はやめると、妻には言っていました。

今年は受かってから伝えよう。そう決めたものの、帰りが遅くなる理由を考えたとき、口から出たのが「残業」でした。「急に忙しくなったの?」と聞かれて、「まあね」とだけ答えた日から、毎日同じ一言を送り続けていました。

帰るとすぐお風呂へ向かったのは、顔を合わせて話せば、嘘がほころびそうな気がしたからです。

エレベーターで言われた「今日早いな」

3週間目のその日、会社のエレベーターで同じ部署の同僚と一緒になりました。「今日早いな」と言われ、「ちょっと用事があって」とだけ返します。同僚の奥さんと妻が、先月のバーベキューで連絡先を交換していたことは、すっかり頭から抜けていました。

カフェに着いて、いつものように「今日も残業」と送信。「了解。無理しないでね」と返ってきたのを確かめて、問題集を開きました。

1時間と少したった頃、スマホが鳴ります。

「今日、定時だったんだよね?」

通知を開いた時点で、読んだことは妻に伝わってしまいます。しまった、と思うのと同時に、エレベーターで別れた同僚の顔が浮かびました。

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送れなかった言い訳
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