恋人の異動の相談に一行で返した俺が、送れずに消した続きの言葉

コラム

打ち直した言葉

画像を拡大したまま、返信欄を開いては閉じるのを繰り返しました。彼女は、あの一行を自分の仕事への否定だと受け取ったのだろう。先に謝るべきか、祝うべきかも決められません。

部屋の中を何度か行き来して、ようやく送れたのは短い一文でした。

「もう決まってたんだね」

決まっていたことを確かめるだけの文面です。画像に既読をつけてから、40分ほどが経っていました。

続けて打ち直したのは、一度消したはずの言葉です。

「行きたいなら、行きたいって言ってほしかった」

送ってから、それが自分に向けた言葉でもあると気づきました。3年前、本当の理由を口にしなかったのは俺のほうです。

そして...

しばらくして、彼女から迷いのない短い返事が届きました。「おめでとう」とだけ返して、スマホを伏せました。

あの2行目を先に送れていたら、彼女は辞令の画像ではなく、言葉で答えてくれたのかもしれません。転勤を断った本当の理由は、まだ話せていません。今は、支社のある街までの乗り換えを調べて、週末に通える距離かどうかを確かめています。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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