
置き配の通知写真に、毎回うちの玄関の花壇が丁寧に写る→最後の配達の日に添えられていた一言
コラム
引っかかった返信と、最後の配達の日
「こちらこそ、いつもきれいに咲いていて助かっています」
うれしい言葉なのに、どこか引っかかる言い方です。花が咲いていると、どうして助かるのだろう。配達の合間の気分転換なのかもしれないと考えて、アプリを閉じました。
秋になり、花壇にはコスモスが咲きました。ある日の通知写真でも薄いピンクの花が箱の後ろにきちんと収まっていて、いつものようにアルバムへ移しました。
その直後、メッセージ欄に新しい通知。
「本日でこの地区の担当を外れます。お花のおかげで、このお宅だけは迷わずに届けられました。ありがとうございました」
最後の配達だったと、そこで初めて知りました。迷わずに、という部分を何度か読み返しました。うちに届けるのに、何を迷うことがあったのだろう。
「こちらこそ、半年間ありがとうございました。新しい場所でもお気をつけて」
送ったメッセージには既読がつき、それ以上の返信はありませんでした。
そして...
次の荷物の写真には、ドアの前の箱だけが写っていました。花壇は画面の外です。
次の休みに、コスモスの鉢を1つ買い、玄関の段差のすぐ横に置きました。箱を置く場所の隣なら、誰が撮っても花が入るはずです。
アルバムの最後の1枚は、あの日のコスモスのまま。答えを聞く方法は、もうありません。このお宅だけは、とはどういう意味だったのか。
(30代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)




























