格好つけと思われても、俺がお釣りを募金箱に入れ続けた事情。高校時代のコンビニで女性に言われた一言

カップル

お釣りの小銭を指でつまむと、手が自然にレジ横の箱へ向かいます。もう10年近く、ほとんど欠かさず続けてきた動きです。あの箱に入れているのは、ある人への返事です。その理由を、付き合って1年になる彼女には長い間話せずにいました。

足りなかった28円

高校2年の頃、部活の帰りにコンビニでスポーツドリンクとパンを買おうとしたことがありました。財布を開けると、28円足りません。レジの前で小銭を数え直していると、うしろに並んでいた年配の女性が、トレーに硬貨を置いてくれました。

「いいよ、今度困ってる人がいたら、その人にしてあげて」

慌てて返そうとしましたが、女性は笑って自分の会計を済ませ、店を出ていきました。名前も聞けないままです。

それから、困っている人に出会えたらと思って過ごしてみても、そんな場面はなかなか来ません。ある日、レジ横の募金箱がふと目に入り、受け取ったお釣りを入れてみたのが最初でした。会ったこともない誰かに回せる気がして、それ以来やめられなくなったのです。

「なんとなく」としか言えなかった

付き合い始めてしばらくした頃、財布をしまいながら、彼女に「それ、毎回入れてるよね」と聞かれました。本当は話してもよかったのだと思います。でも口に出したら、28円の話で恩返しを気取っているように聞こえる気がして、こう答えました。

「うん、なんとなく」

彼女はそれ以上、何も聞いてきませんでした。店員さんに会釈していたのも、お礼を言われたから返していただけ。それが彼女の目にどう映っていたかまでは、考えたこともありませんでした。

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