
彼女の実家の座敷で、「田舎の女は無理」と送った俺がお父さんに伝えたこと
コラム
畳に手をついた座敷で
翌日は会社を休み、電車とバスを乗り継いで半日。送り状の住所にあった家では、お母さんが目を丸くして迎えてくれました。
座敷でお父さんと向き合い、お茶を運んできたお母さんの前で、まず畳に手をついて頭を下げました。お母さんが席を外してから、顔を上げて話し始めました。
まずは、彼女に何を送ったのかをそのまま伝えるところから。前の恋人のことも、怖くて先に突き放したことも話しました。そのうえで、「それでも一緒にいたいです。こっちで暮らすことも、ちゃんと考えます」と続けました。
お父さんは窓の外の畑を見たまま、しばらく口を開きませんでした。
「それは、俺じゃなくて娘に言いなさい」
そして...
帰りのバスで、彼女からメッセージが届きました。「うちの実家に行ったの?」。お父さんの言葉を思い出し、ここで全部を打つのはやめました。「明日、会って話せる?」と送ると、「うん」と返ってきました。
翌日、彼女の顔を見て頭を下げました。「ひどいことを送って、ごめん」。彼女は小さくうなずきました。
彼女は、座敷のことを何も聞いてきませんでした。お父さんに伝えた「それでも一緒にいたいです」は、父親へ言うより先に、本人へ伝えるべき言葉でした。「娘に言いなさい」と言われた意味が、ようやく分かった気がします。
次に会う日、座敷で話したことを全部、今度は彼女の目を見て伝えるつもりです。
(20代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)































