
「今日、元カレに偶然会った」にスタンプ1個で返した俺→ひと晩かけて書き直した長文の中身
コラム
「何話したの?」と打っては消し、「連絡先は?」と打っては消す。送れない言葉ばかりが増えていき、結局彼女に届いたのは、猫のスタンプ1個だけでした。
仕事から帰ってソファに座ったところで、スマホが鳴りました。彼女からのメッセージを開いた俺は、テレビの音量を下げました。そこに書かれていたのは、思ってもいない報告でした。
送れなかった質問
「今日、元カレに偶然会った」
「駅前の本屋で。少し立ち話しただけだよ」
読んだ瞬間、聞きたいことが次々に浮かびました。何を話したのか。相手は今どうしているのか。連絡先は交換したのか。
入力欄に「何話したの?」と打ち、消しました。「連絡先は?」と打ち、また消しました。どれも、問い詰めているようにしか読めません。
付き合い始めたころ、彼女は元カレのことを少しだけ話してくれました。返信が遅れると、すぐ電話をかけてくる人だったそうです。俺はそのとき、そういう相手にはならないと決めました。彼女の職場の飲み会に男性がいると聞いた日も、本当は気になっていました。それでも「楽しんで」の一言だけを送ったのです。
時間稼ぎのスタンプ
何か返さなければと焦り、選んだのは猫が敬礼しているスタンプでした。「了解」と書かれた、いつもの1個です。
送った直後に、これでは足りないと分かっていました。それでも、自分の気持ちを落ち着かせる時間がほしかったのです。
「それだけ?」
届いたメッセージを見て、彼女を不安にさせたことに気づきました。それでも、すぐに返す言葉は見つかりませんでした。
次のページへ
メモに書き直した本音




























