
「猫を飼う女は寂しい女」と言った俺→ベッドの下の猫にささやいていた言葉
コラム
あの日の言葉は、彼女ではなく昔の自分に向けたものでした。床に腹ばいになって、ベッドの下の猫に伝えようとしていたことを話します。
彼女の部屋のキャットタワーを見たとき、子どものころの家の匂いを思い出しました。共働きの両親の帰りを、毎日1匹の猫と待っていた家です。懐かしさと一緒に口をついて出たのは、昔言われた言葉でした。
教室で言われた言葉
「猫を飼う女は寂しい女」
小学生のころ、同級生から言われた言葉を変えたものです。
猫としか遊ばないやつは寂しいやつ、とよくからかわれていました。
猫が好きだと知られるのが恥ずかしくて、とっさに茶化してしまったのです。彼女が言い返します。
「この子、家族なんだけど」
「そういう意味じゃない」
それ以上説明すれば、自分の話をしなければなりませんでした。
実家の猫は、引っ越し先で飼えなくなり、親戚の家にもらわれていったのです。
床に座った理由
彼女の猫は、俺の足音を聞くだけでベッドの下に逃げていきました。
猫は自分から近づいてくる人を嫌うと、子どものころから知っていたのです。
だからソファではなく、ベッドの近くの床に座って、ただ待つことにしました。
初めて来た日も、本当はキャットタワーの爪とぎの跡ばかり目で追っていました。
猫の背中をなでながらその日の出来事を話すのだと、彼女から聞いたことがあります。
この子は、彼女の大事な話し相手なのだと思いました。
俺のことを、この子にも少しずつ知ってもらいたかったのです。
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ベッドの下にささやいたこと




























