
「返事遅いね」と言われた出張中の俺→13時間の時差の向こうで、彼女に黙って続けていたこと
コラム
「ごめん。なるべく早く返すようにする」。そう送った日から、俺はスマホのアラームを一つ増やしました。言い訳になりそうな事情は、彼女には伝えないと決めていたのです。
夜中、アラームを止めて、暗いホテルの部屋でスマホを開きました。日本との時差は13時間。こちらが真夜中のころ、日本は昼過ぎです。付き合って1年半の彼女に返信を打ち終えると、もう一度アラームをセットしてから目を閉じました。
時差の向こうで
仕事でニューヨークに来たのは2週間前のこと。出発前、「向こうでも連絡するから」と約束したのは俺のほうです。
ただ、時差のことまでは考えていませんでした。日中は工場の視察続きで、スマホは控え室のロッカーに預けたまま。読めるのは、ホテルに戻ってからでした。
そうして返すころ、日本はもう翌日の昼です。俺はできるだけ急いで返しているつもりでも、彼女から見れば半日遅れの返事でした。
「ごめん、今見た」
それが、俺の決まり文句になっていました。
届いた二通
その日も、ホテルに戻ってすぐに返しました。しばらくして彼女から届いたのが、この二通です。
「返事遅いね」
「忙しいのは分かるけど、ちょっと寂しい」
時差のせいだと説明することはできました。けれど、それを言えば、彼女は自分の送る時間を気にするようになるでしょう。寂しいと言わせたのは、こちらの都合です。
「ごめん。なるべく早く返すようにする」
そう送って、アラームを一つ増やしました。彼女のメッセージが届きやすい時間に合わせて、夜中に一度起きることにしたのです。
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眠気と引きかえの返事


























