
「無理なら、無理って言ってね」と届いた僕→既読のまま5日、ノートに家系図を描いていたわけ
コラム
彼女のご両親に、僕の家族のことを聞かれたら。その答えを、まず彼女自身に伝えなければならないと思いました。言葉で書けなかった僕が選んだのは、1冊のノートでした。
ノートの真ん中に、自分の名前を書いて四角で囲みました。そこから線を1本引くたびに、次に書く名前を長いあいだ考えました。付き合って2年になる彼女にこれを見せると決めるまで、僕には5日が必要でした。
話してこなかった家族のこと
彼女から「来月、両親に会ってほしい」と届いたとき、うれしい気持ちと同時に、ずっと避けてきたことを思い出しました。
僕の両親は、僕が5歳のときに別々の道を選びました。
僕は父のもとで育ち、その後、父は再婚しました。今の母とは血のつながりがなく、10歳下の弟とは母親が違います。生みの母も再婚していて、向こうには妹が2人います。
彼女には、家族のことをほとんど話してきませんでした。重い話だと思われて、離れていかれるのが怖かったのです。
打てなかった返事
彼女のご両親に会えば、きっと家族のことを聞かれます。その場で彼女が初めて知ることになれば、彼女だけが答えに困ってしまう。
先に話さなければ、と思いました。でも、どう書けばいいのか分かりません。説明しようとすると長くなり、短くすると冷たい印象になる。その繰り返しでした。
既読をつけたまま、何度も入力欄に文章を打っては消しました。そのうちに日がたち、5日目に彼女からメッセージが届きました。
「無理なら、無理って言ってね」
無理なわけがありませんでした。会いたくないのではなく、会う前にやるべきことがあったのです。
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ノートに描いた線


























