
「たまにはあなたも私のこと撮ってよ」に「気が向いたらね」と返した俺→別れて1年、黙って足した1枚
コラム
旅行から帰った日、当時付き合っていた彼女のメッセージに軽い返事をしたのは照れくささからでした。1年後、2人のアルバムに1枚を足したとき、俺はあえてメッセージを付けませんでした。
スマホを買い替える前にカメラロールを整理していると、1年以上前の日付のところに、波打ち際を歩く彼女の後ろ姿が残っていました。最後の旅行で、送るつもりで撮ったまま、一度も渡せなかった1枚です。
一度だけ向けたカメラ
彼女とは3年付き合い、1年前に別れました。旅行の写真はいつも彼女の担当で、2人のチャットに作った「2人旅」というアルバムは、ほとんど彼女の撮った写真で埋まっていました。
最後の旅行の日、サンダルを片手に先を歩く彼女に、一度だけカメラを向けました。帰ったら送るつもりだったのです。
ところが帰った日に、彼女からメッセージが届きました。
「今回も私ばっかり撮ってたね。たまにはあなたも私のこと撮ってよ」
実は1枚撮っていたと返せばよかったのに、後ろ姿を勝手に撮っていたと知られるのが急に照れくさくなりました。既読をつけてから少し迷って、「気が向いたらね」とだけ返しました。そのうち送ればいい。そう思ったまま、渡すきっかけを逃し続けたのです。
メッセージではなくアルバムに置いた1枚
別れてから、彼女とのチャットを開くことはありませんでした。あの写真も、カメラロールの奥に埋もれたままでした。1年たち、スマホを買い替える前の整理で、その1枚が出てきました。
新しいスマホに移すのも、消すのも違う気がしました。ただ、写真をメッセージで送れば、会話を始めるきっかけを作ろうとしているように見えそうでした。よりを戻したいわけではありませんでした。彼女の写真を、彼女に返したかっただけ。
そこで、「2人旅」のアルバムに、その1枚だけを追加しました。アルバムなら、彼女が見たあとに返事をしなくてもいい。そう考えて、メッセージは何も付けませんでした。
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下書きを消して送った短い返事





























