
元カレから届いた「引っ越した」→住所を見ると、私の家の隣の駅だった
コラム
別れた彼に送った本音に、既読がついたまま返事は来ませんでした。やがて彼から届いた2通を読んでも、なぜ隣の駅だったのかという引っかかりは消えないままでした。
始まりは、洗濯物をたたんでいたときでした。テーブルの上のスマホが短く鳴りました。画面に出ていたのは、半年前に別れた彼の名前と「引っ越した」という一言。続けて届いたのは、住所だけが書かれた1行でした。番地の手前にある地名を、私はタオルを持ったまま見つめていました。
地図のピンが立った場所
住所を地図アプリに貼りつけると、ピンが立ったのは私の家の最寄り駅の隣の駅でした。通勤で毎日、電車を乗り換えている駅です。ホームの階段の位置も、改札前のパン屋の並びも、どこに何があるか分かるくらい使っていました。
彼とは2年付き合い、話し合って別れました。うちに何度も来ていた彼なら、あの駅が私の乗り換え駅だということも知っています。
どうしてよりによって、あの駅なのか。偶然にしては近すぎる気がしました。頭に浮かぶのは、乗り換えの階段を上がったところで、彼と鉢合わせする場面ばかり。スマホを伏せてテーブルに置き、たたみかけのタオルを最後までたたみました。
すぐについた既読と、遅い返事
返信を打ったのは、しばらく迷ってからです。
「なんでそこなの?」
「うちの隣の駅だよね」
続けて2通送ると、既読はすぐにつきました。けれど返事はなかなか来ません。今頃どんな顔で画面を見ているのだろうか、と考えかけて、やめました。
ようやく届いたのは、短いメッセージでした。
「知ってる。だから先に言っておこうと思った」
知っていて選んだ、ということです。先に言っておくとは、何のためなのか。これからは乗り換えのたびに、ホームで彼の姿を探してしまいそうでした。考えがまとまる前に、文面を打ち込んで送信していました。
「正直ちょっと怖い」
今度も既読はすぐにつきました。それなのに、いくら待っても次のメッセージは届きません。
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取り消さなかった本音





























