「それでも俺は、言ってよかったと思ってるよ」と言われた私が、改札の手前で見せた2年前の画面の意味

コラム

友人が楽しそうだった理由も、私が彼の顔を見られなかった理由も、あのメモに書いてありました。改札の前で、私は2年分の画面を彼に向けました。

居酒屋のテーブルの下で、友人のつま先が私の靴を軽くつつきました。合図の意味は、聞かなくても分かりました。ところが、そのあと私の口から出た言葉は、彼をずいぶん傷つけていたようでした。

友人だけが知っていること

私が彼を初めて見かけたのは、付き合う1年前のことでした。大学時代からの友人の職場の飲み会に、人数合わせで呼ばれたときです。
向かいのテーブルで、店員さんが落としたおしぼりを拾って笑っていた人。話したのは一言だけで、彼のほうは覚えていないはずでした。
自分から声をかける勇気はなく、友人に相談して、1年がかりでバーベキューを開いてもらいました。帰る方向が同じになるよう、駅までの道も友人と決めておいたのです。
告白してくれたのは彼。でも、言ってもらえるように道を作ったのは、私のほうでした。

先に答えたかった理由

居酒屋で友人が「で、どっちから告白したの?」と聞いたのは、全部知ったうえでのいたずらでした。
彼の前で本当のことを話されたら、どんな顔をしていいか分かりません。先に答えてしまおうと焦って出たのが「告白されたから付き合っただけ」でした。
友人は「へえ」と笑って私をのぞき込み、私はストローで氷を回し続けました。彼の方を見たら、顔が赤いのがばれる気がしたのです。
彼が「そうそう、俺の押し勝ち」と笑ってくれて、ほっとしていました。その笑顔が無理をしたものだったとは、店を出るまで気づきませんでした。

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改札の手前で
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