
「犬の散歩に付き合う暇はない」と言った彼→1か月後、散歩道の橋のたもとのベンチから立ち上がったのは
コラム
週末の散歩に誘っても、彼から届くのは同じ返事ばかり。
玄関のチャイムが鳴ると、足元の柴犬が玄関に向かって吠えはじめました。ドアの向こうにいたのは、付き合って半年になる彼。部屋に上がった彼は、この日も上着を脱がずに、ソファの端に座っていました。
散歩に誘った日の返事
柴犬のあの子と暮らしはじめて3年。私にとっては、家族のような存在です。
それなのに彼は、あの子の頭をなでたことが一度もありません。写真を見せても「へえ」と言うだけで、すぐに仕事の話に変えてしまいます。
その日も、リードを手に取りながら声をかけました。
「一緒に散歩行かない?」
私の声に反応して、あの子がまた彼に向かって吠えます。彼はソファでスマホに目を落としたまま答えました。
「犬の散歩に付き合う暇はない」
暇がないなら、どうしてこの部屋でスマホを見ているのでしょう。言い返したい言葉をのみこんで、1人で玄関を出ました。
私が好きなものを、少しでいいから好きになってほしい。川沿いの道を歩く間、そのことばかり考えていました。
届くのは「今日も無理」ばかり
それから週末になるたびに、散歩に誘うメッセージを送りました。
「週末はいつも、川沿いを橋まで歩くんだよ。一緒にどう?」
返ってくるのは、決まって「今日も無理」の一言。理由が書かれていたことは、一度もありません。
部屋に来ても、彼は相変わらずあの子から目をそらしています。あの子が近づくと、さりげなく立つ位置を変えるのです。
犬が嫌いなら、最初からそう言ってくれればいいのに。
誘うメッセージは、だんだん短くなっていきました。このまま付き合っていても、彼があの子を好きになる日は来ないのかもしれない。そう考えるようになって、1か月がたったころのことです。
その週末も「今日も無理」と返事が届き、あの子と川沿いの道を歩きました。
橋が見えてきたところで、たもとのベンチから誰かが立ち上がります。今日も無理と返してきたはずの彼でした。
足元のあの子が、彼に向かって吠えはじめました。
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橋のたもとで見たあいさつ


























