
ドライブに誘ってきた彼の「え、運転してくれるんでしょ?」→湖のレストランで差し出された千円札2枚
コラム
迎えに行った私の車に乗り込むなり、彼が口にしたのは、乗せてもらう側とは思えない一言でした。その後も助手席からは、首をかしげたくなる言葉が続きます。
マッチングアプリの通知を開くと、また同じ言葉が届いていました。「ドライブ行きたい」。1か月ほどやりとりを続けている彼からの、何度目かのお誘いです。このときは、運転席に座るのが私になるとは思ってもいませんでした。
「え、運転してくれるんでしょ?」
彼とは一度だけ食事に行ったことがあり、話のテンポが合う人でした。何度も誘われていたドライブに「いいね!行こう」と返し、行き先は彼が気になっていた湖のそばのレストランに決まりました。
ところが、待ち合わせの相談で話がかみ合いません。
「車はどうする?」
「え、運転してくれるんでしょ?」
よく聞くと、彼は車どころか免許も持っていませんでした。誘ってきたのは彼なのに、ハンドルを握るのは最初から私の役目だったのです。
しばらく迷ったものの、食事のときの笑った顔を思い出し、「いいよ」と送りました。
「大丈夫」と言った彼が山道で
当日、彼の最寄り駅まで迎えに行くと、助手席に乗り込んだ彼の一言目がこれです。
「なんか狭くね?」
乗せてもらう側の第一声がそれなのかと思いつつ、笑顔のまま聞き流しました。
パーキングエリアで休憩したとき、地図で見るとこの先は山道でお店も少なそうだったので、声をかけました。
「次いつ止まれるか分からないから、今のうちにトイレ行っておいたほうがいいよ」
「大丈夫」
彼はスマホを見たまま、車から降りませんでした。
山道に入ってしばらくすると、助手席から声がします。
「ちょっと酔ったかも」
「トイレ行きたい」
周りには木と細い道しかありません。車を脇に寄せて地図アプリで探し、ようやく公衆トイレにたどり着くまで10分以上。ぐったりした彼を乗せて湖のレストランに着き、食事を終えると、テーブルに伝票が置かれました。彼がそれを手に取ります。
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運転したのも、トイレを探したのも私





























