
「長いのは読みたくない?」と送った私に「ちゃんと読んでる」と返す彼→玄関のドアを開けて見た姿
コラム
玄関のドアを開けると、部屋の真ん中で彼が正座をしていました。両手でスマホを持ち、背筋を伸ばして画面を見つめる姿に、こらえきれず声が出てしまったのです。
送信ボタンを押してから、私はチャット画面を何度も開き直していました。短い文なら数分で返ってくるのに、長く書いたときだけ、未読の表示が消えません。また明日まで待つのかと、スマホを伏せました。
長く書くほど遠くなる返事
付き合って8か月の健人は、返信が早い人でした。「今日どうだった?」には、すぐに「普通に疲れた」と返ってきます。
ところが、少し長いメッセージを送ると話が変わります。誕生日のお礼や、ちょっとした相談を長めに書くと、未読のまま翌日まで放っておかれるのです。
読むのが面倒なのだろうか。重いと思われているのかもしれない。そう考えると、長く書くこと自体が怖くなっていきました。
「長いのは読みたくない?」
小さな言い合いをした日、私は自分の気持ちを整理して送りました。書き出しは「この前のこと、ちゃんと伝えたくて書きます」。
その日も未読のまま、既読がついたのは次の日の夕方でした。返ってきたのは「わかった。ごめんね」だけです。
思い切って「長いのは読みたくない?」と送ると、今度はすぐに返事が来ました。
「そんなことない」
「ちゃんと読んでる」
それなら、どうして翌日まで開かないのか。聞きたいのに、それ以上は送れませんでした。
次の週末、彼の部屋に泊まりに行きました。飲み物を買いにひとりでコンビニへ出た帰り道、私は試すように長いメッセージを打ちました。「いつもありがとう。今日は言いたいことがあって」。送信して数分後、画面に既読の表示が出たのです。
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ドアの向こうにいた彼





























