「花火なんて子どもっぽい」と私の誘いをさえぎった彼→「今日は予定がある」と言った当日届いた一言

コラム

川の一番近く

サンダルをつっかけて土手へ向かうと、階段の下はもう人であふれていました。人の間を抜けていくと、川に一番近い場所に、青いレジャーシートが敷かれています。
その真ん中に、彼が座っていました。

シートの端には空のペットボトルが何本も転がり、彼の首の後ろは赤く日焼けしています。脱いだサンダルは、シートの外にきっちりと揃えてあります。周りの家族連れと比べても、ずいぶん前からここにいるように見えたのです。

「座って」

彼はそう言って、シートの半分を空けました。

そして...

子どもっぽいと言ったのは誰だったのか、予定があると言ったのは何だったのか。聞きたいことを飲み込んで、シートの端に腰を下ろしました。
川の向こうで、最初の一発が上がります。遮るもののない空の大きさに驚いて隣を見ると、彼は花火ではなく、私の顔を見ていました。
二発目、三発目と音が続くあいだも、日焼けした彼の首の後ろばかりが目に入りました。花火をばかにしていた彼は、どうしてこの場所に座り続けていたのでしょうか。

(20代女性・美容部員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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