「結婚は妥協だった」と台所の向こうで言った夫→帰宅後、白い封筒の隣にクリアファイルを置いた

コラム

封筒を手に取った夫の沈黙

夫は封筒を手に取り、表と裏を確かめるように一度だけ裏返しました。中身を出そうとはしませんでした。
「怒ってるわけじゃないの。ただ、あの言葉は聞きたくなかった」
私がそう言うと、夫は封筒をテーブルに戻しました。そして「ちょっと待ってて」と言い、自分の部屋に入っていったのです。
引き出しを開け閉めする音が、ドア越しに何度か聞こえてきます。私はソファに座り、封筒の角を指でなぞって待っていました。
戻ってきた夫の手には、透明なクリアファイルがありました。中に何枚か紙が入っているのは見えても、文字までは読めません。

そして...

夫はクリアファイルを封筒の隣に並べ、私の向かいに腰を下ろしました。
「これを見てから、さっきの続きを話させて」
ファイルの中の紙を読み終えて、私は封筒とファイルをしばらく見比べていました。
「今さら、どうしろっていうの」
夫の返事は「どうもしなくていい」の一言だけでした。
私はその場では答えを出さず、ファイルを封筒と一緒に寝室の引き出しへ戻しました。
妥協だったと言った夫は、あの笑い声の中で、本当は何と続けていたのでしょうか。

(30代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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