「妻は俺の言うことを聞くんで」と座敷で言った夫→私の一言で先輩と席を立った

コラム

ふすまの向こうへ出ていった夫

夫は立ち上がり、「先輩、ちょっといいですか」とだけ言いました。先輩は迷ったような顔をしてから、夫のあとについて座敷を出ていきます。

ふすまが閉まり、座敷には私と飲みかけのグラスが残されました。廊下の向こうから、ほかの客の笑い声が聞こえてきます。夫と先輩の声は、まったく聞こえませんでした。

運ばれてきた焼き鳥が冷めていくのを、私はぼんやりと眺めていました。言うことを聞く妻と言われたばかりなのに、私だけが何も知らされていない。そのことを、皿の上の串を見ながら何度も考えていたのです。

そして...

しばらくして戻ってきた先輩は、私の前で頭を下げました。

「奥さん、今日は本当にごめんね」

夫は席に着くと、何事もなかったように私の取り皿に焼き鳥を取り分けました。会計は先輩が済ませ、大阪の話はそれきり出ないままでした。

帰りのタクシーで、夫は窓の外を見たまま一言も話しません。私の返事を聞いて席を立った夫は、外で先輩と何を話し、何を決めてきたのでしょうか。

(30代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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