「お前とは将来が見えない」と送ってきた彼に、本棚の奥の手帳を撮って送った夜

カップル

言葉で説明するのはやめて、本棚の奥から手帳を抜き出しました。撮った写真に既読がついても、返事はなかなか届きませんでした。

仕事帰りの電車で、つり革につかまったままスマホを見下ろしていました。画面に表示されていたのは、付き合って3年になる彼からの短いメッセージ。そこにあった言葉を、すぐには飲み込めずにいました。

「なんとかなる」と返したあとで

少し前、彼から「この先どうしたいとか、考えてる?」と届いていました。いつもの雑談の続きだと思い、「うーん、まあなんとかなるでしょ」と軽く返したのです。

その数分後に届いたのが、「お前とは将来が見えない」でした。

彼は普段、私を「お前」とは呼びませんでした。スタンプもなく、それだけが並んだ画面を、降りる駅に着くまで開いては閉じました。

将来の話になるたび、はぐらかしてきたのは私のほうでした。「そのうちね」「まだ分かんない」。そう返すたびに彼が話題を変えてくれていたことにも、気づいてはいたのです。

本棚の奥にあった手帳

部屋に着いて、上着も脱がないまま本棚の前へ。いちばん奥、仕事の資料の後ろに差し込んでいた手帳を引き抜きました。

1年前から、仕事のあとにWebデザインの講座を受けてきたのです。見開きの左側には「Webデザイン講座」の見出しと月ごとの勉強時間、右側には「2年後:どこにいても働ける状態に」と書いてありました。

彼に言わなかったのは、途中でやめたら笑われる気がしたからです。形になってから話せば格好がつく。そう考えているうちに、将来の話を何もしない彼女になっていました。

返事を3回打って、3回とも消しました。言葉で説明するのはやめて、そのページをそのまま撮り、「これ、1年前から続けてる」と添えて送りました。

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