
後輩のプレゼンを「無理」と否定した私→彼女の受賞を知って気づいたこと
ライフスタイル
後輩の資料に赤ペンを入れたのは、善意のつもりでした。けれどペンを握る手に、純粋な親切心だけだったのかと問われれば、正直に「はい」とは言い切れない。あの赤字の奥に何が隠れていたのか、今ならわかる気がするのです。
「添削」という名の、自分でも気づかなかった感情
後輩が初めてのプレゼン資料を持ってきたのは、ある春のこと。丁寧に作られた資料をめくりながら、胸の中に妙なざわつきが広がっていくのを感じました。入社2年目でこれだけのものを作れるのか、と。自分が同じ年次だったころ、こんな資料は到底作れなかった。そのざわつきの正体に気づかないまま、私は赤ペンを手に取っていたのです。「ここダメ」「やり直し」。書けば書くほど気持ちが落ち着いていくような、不思議な感覚がありました。
「あなたには無理」と書いた、あの一言
資料の最後に「あなたには無理よ」と書き添えたとき、一瞬だけ手が止まりました。本当にそう思っているのか。冷静に考えればわかるはず。でも、そのまま赤ペンを走らせてしまった。後から振り返れば、それは添削ではなく、自分が追い抜かれることへの恐れだったのだと思います。若い後輩が評価される場に立つこと。自分にはなかった機会を軽々と手にしていること。それが悔しかった。「無理」という言葉は、後輩に向けたようでいて、かつての自分に言い聞かせていたのかもしれません。
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原案のまま出された、という事実






















