
「まだ付き合ってないし、半分出すよ」気になる彼との初デート→帰宅後に届いた「今日、楽しくなかった?」
コラム
駅で解散してからの返信は、それまでと違って短いものばかりでした。次に届いた一言に、私は自分の言い張りが何に見えていたのかを考え直すことになります。
伝票に手を伸ばした彼より先に、私は財布から1000円札を数えていました。
彼が選んだ店で、私が差し出した3枚
彼とは友人の紹介で知り合い、メッセージのやりとりが2か月ほど続いていました。誘ってくれたのは彼で、店も彼が決めてくれた、初めて2人だけで会う食事の日でした。料理の話から仕事の話まで会話は途切れず、私は途中で時計を見るのを忘れていたほどです。
伝票が届き、彼が先に手を伸ばしました。「まだ付き合ってないし、半分出すよ」と言って、私は1000円札を3枚、彼の手元へ差し出しました。
「誘ったの俺だから」「ううん、自分の分は自分で払いたいの」
彼は3枚を見て、それから私の顔を見て、「わかった」と受け取りました。全部出してもらうと、次に会うことが借りを返すためになってしまう気がして、私はそれが嫌だったのです。彼がレジへ向かう間、私は店の入口で待ちました。
駅までの道で減っていった言葉
店を出てから駅までの道は、来るときと同じ道なのに、彼の返事が相づちだけになっていました。私が話題を出しても、「うん」「そうだね」で終わります。改札の前で私は「今日はありがとう」と言い、彼は「こちらこそ」とだけ返して、反対側のホームへ歩いていきました。
電車の窓に映る自分を見ながら、私はレジの前のやりとりを頭の中で何度も再生していました。あの店は彼が選んだ店で、値段も私より高い料理を頼んだのは彼です。それでも半分と言い張ったのは、失礼だったのでしょうか。彼からは「着いたら教えて」とだけ届いていて、私は「今着いたよ」と送りました。
次のページへ
帰宅後に届いた短い一言



























