息子の妻が笑って言った「私はもうこっちの家の人間ですから」に、昔の自分が重なった日

コラム

言い足りないまま見送った2人

2人が帰ったあと、布巾を干しながら、台所での場面を何度も思い返しました。あれでは、嫌われていると受け取られても仕方がありません。息子に電話をして説明を頼もうかと考え、スマホを手に取っては棚へ戻しました。

息子には高校生の頃、一度だけ昔の話をしたことがあります。電話で叱ったことと一緒に、帰り道で何か伝えてくれているかもしれない。そう願うことしかできませんでした。

そして...

しばらくして、息子の妻からメッセージが届きました。

「お正月は、先に実家へ顔を出してから伺ってもいいですか」

画面を開いたまま、すぐに返信を打ちました。

「もちろんよ。ゆっくりしてらっしゃい」

送ったあとで、台所でのことを説明するメッセージを足そうとして、やめました。あの言葉がどう届いたのか、あの子には確かめないまま。

カレンダーの年末の欄に書いておいた息子夫婦の来る日を、消しゴムで消して、2日後ろへ書き直しました。

(60代女性・パート)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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