
同期の彼氏に会ってから、ランチの誘いを断り続けた私の本音
コラム
「今度、彼女のご両親にもご挨拶に行く予定なんです」。彼が何げなく口にした予定を聞いてから、同期の顔をまっすぐ見られなくなりました。
グラスの中で溶けていく氷を、ストローで何度も回していました。向かいの席には、同期の友人と、紹介されたばかりの彼。思い描いていた相手とは、何もかもが違っていました。
先を越されるはずのなかった相手
同期の友人のことは、好きでした。一緒にいて気をつかわないし、話を否定されることもありません。ただ、地味な服ばかり選ぶ友人の隣にいると、自分が少しだけ華やかに見える気がしていました。恋人がいないと聞いてからは、ランチのたびに同じことを言いました。
「彼氏できたら紹介してね」
その日はまだ当分来ないと、どこかで決めつけていたから言えた言葉です。恋人を作るのも結婚するのも、私のほうが先。そう思って疑いませんでした。
紹介したい人がいると連絡が来たときは、悔しい気持ちがありながらも喜ぶスタンプを続けて送りました。すぐに別れると思ったからです。どうせあまりパッとしない人が来るんだろうなと思いました。
彼が口にした予定
向かいに座った彼は、軽く頭を下げました。
「はじめまして」
「はじめまして」と返して、紙袋を膝の上で抱え直しました。
注文のとき、彼は友人の分まで、迷わずカフェラテを頼みました。仕事の話を振ると、肩書きをひけらかすこともなく、こちらが分かる言葉で答えてくれました。気の回し方も話し方も、私がアプリで会ってきた誰より落ち着いていました。
彼が、近いうちに彼女のご両親へ挨拶に行く予定だと話しました。
私には、まだ親に紹介できるような相手すらいませんでした。そこから先の会話は、ほとんど上の空。30分ほどたった頃、スマホを確認するふりをして立ち上がり、用事があると言って紙袋を友人の前に置きました。
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笑える自信がなかった




























