
「私がやりました」新人の私のミスをかばった先輩。10年後、同じ文を打った私に届いた返信
コラム
帰りの電車でスマホを開くと、職場のグループチャットに課長のメッセージが届いていました。私が入力した発注に、取引先から連絡が入ったという内容です。ところが、名乗り出るより先に画面に並んだのは、教育係の先輩の返信でした。
課長の質問に、先に答えたのは先輩でした
入社して半年、発注の入力を任されたばかりのころです。課長のメッセージはこうでした。
「先方から連絡がありました。今日の発注、数量が1桁多くなっています。入力したのはどなたですか?」
「申し訳ありません、私が」まで打ったところで、先輩の返信が届きました。
「私がやりました。先方には明日すぐに連絡して訂正します。申し訳ありません。」
課長からは「了解です。よろしくお願いします。」と返ってきて、グループチャットはそれきり動きません。打ちかけの文を消し、先輩に個別でメッセージを送りました。
「先輩、あの発注を入力したのは私です。私から課長に言います」
既読がついてから返信が来るまで、電車は駅を2つ過ぎていました。
「いいの。明日、少し早めに来られる?電話、隣で聞いてて」
電話のあとに言われた一言
翌日、先輩は取引先に電話をかけ、訂正の手配を済ませてくれました。隣でメモを取るだけの私に、電話を切った先輩が言ったのは一言です。
「数量は、送る前にもう1回見てね」
責めることも、恩に着せることもありません。課長に本当のことを言う機会も、そのまま来ないまま。あのとき先輩が、どうして自分の名前を出したのか。10年後に私が同じ文を打つまで、考えたこともありませんでした。
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10年後、私が打った同じ文




























