
後輩をかばった10年前の私には、言えずに消した続きがありました
コラム
「先輩、あの発注を入力したのは私です」。後輩から届いた個別のメッセージに、本当は続けて送るつもりの言葉がありました。打っては消して、手元に残ったのは短い返事だけです。
誰もいなくなったフロアで、パソコンの通知音が鳴りました。グループチャットに届いたのは、新人の後輩が入力した発注についての課長のメッセージです。返信を打つ前に、私は別の画面を開いていました。
承認画面に残っていた私の名前
教育係として、後輩の入力はすべて私が確認してから送る決まりでした。開いたのは、その発注の承認画面です。確認者の欄には、私の名前が入っていました。
その日は承認待ちが何件も重なっていて、前回と同じ品目だからと、数量の列を見ないまま確定を押していたのです。課長の「入力したのはどなたですか?」を読み、後輩がまだ名乗っていないのを確かめてから、返信を打ちました。
「私がやりました。先方には明日すぐに連絡して訂正します。申し訳ありません。」
本当は、続けるつもりだった言葉
後輩から個別のメッセージが届いたのは、それから少しあとです。
「先輩、あの発注を入力したのは私です。私から課長に言います」
本当は、確認を飛ばしたのは私だと続けるつもりでした。教育係が見ていなかったと知れば、後輩はこの先、私の確認を当てにできなくなる。そう考えたのか、ただ格好がつかなかっただけなのか。打っては消して、残ったのは短い返事だけです。
「いいの。明日、少し早めに来られる?電話、隣で聞いてて」
翌日、先方への電話を終えて、後輩に「数量は、送る前にもう1回見てね」と伝えました。自分の分は、一言も足せないまま。課長にだけは、そのあと確認を飛ばした経緯を話しました。
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後輩から届いた、あの日と同じ文




























