「お前の親、ちょっと変だよな」実家への挨拶の帰り道、家族を否定された気がして許せなかった私

コラム

父の字が書かれた白い封筒

それから1週間、彼とのやりとりは短い連絡だけでした。

そんなある日、彼が私の部屋を訪ねてきました。手には白い封筒。

「お父さんから、俺宛てに手紙が届いた」

封筒の裏にあったのは、見慣れた父の字でした。あの日、食事の途中で父がメモ帳を差し出したことを思い出しました。口数の少ない父が、彼に何を書いたのか。そう考えると、封筒から目が離せなくなりました。

「何て書いてあったの?」

彼は封筒を持ったまま、首を横に振りました。

「返事を書いてから、ちゃんと話す」

そして...

彼は私の便箋を借りて、机に向かいました。書いては消し、新しい便箋に替えて、また書き直しました。机の端に、書き損じが何枚も重なっていきました。

ようやく封をした帰り際、玄関で靴をはきながら、彼がこう言ったのです。

「あの時の変は、悪い意味じゃなかった」

小さくうなずいて、彼を見送りました。悪い意味ではないなら、あの一言には何が込められていたのか。父の手紙に何が書かれていたのかも、分からないままです。机の端に残った書き損じの便箋を、しばらく眺めていました。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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