「他に好きな人ができた」と送った彼の、その人から私に届いた1通

コラム

謝りたいことがある。そう届いたのは、一度だけ会ったことのある彼の後輩からのメッセージでした。何を謝られるのか想像するほど、返事を打っては消すばかりで。

その3日前。コートを脱いだところで、スマホが続けて鳴りました。画面に並んでいたのは、3年付き合ってきた彼からの短いメッセージ。それが後輩からの1通につながるとは、思ってもいませんでした。

「ごめん」の次に届いたメッセージ

通知を開くと、メッセージが2つ並んでいました。

「ごめん」

「他に好きな人ができた」

見慣れた彼の名前の下で、文面だけが知らない人の言葉のようでした。ソファに座り直して、すぐに通話ボタンを押しました。呼び出し音が10回鳴って、切れる。もう一度かけても同じでした。

少しして、また通知が届きます。

「電話は出られない。本当にごめん」

次の連休の行き先も、まだ決めていなかったのに。聞きたいことを打っては消すうちに、時間だけが過ぎていきました。

結局、送れたのは「わかった」だけ。既読はすぐにつき、それきり何も届きませんでした。

見覚えのある名前からの通知

3日たっても、彼とのチャットを消せずにいました。一覧を開くたび、いちばん上の「わかった」が目に入ります。

好きな人って、誰なんだろう。職場の人か、友達の誰かか。答えの出ない問いを、通勤の電車でも繰り返していました。

家に帰ってすぐ、新しい通知が届きます。差出人の名前に、見覚えがありました。

去年の夏、彼の会社のバーベキューに呼ばれたときのこと。写真を送り合うために連絡先を交換した、彼の後輩の女性です。よく笑う、明るい人でした。写真は結局どちらも送らず、やりとりはあの日の「よろしくお願いします」だけ。

その人から、どうして今になって。

通知を開くまでに、何度も画面を暗くしてはつけ直しました。

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