
「今日も残業」と毎日送ってくる夫。同僚の奥さんから届いた「ご主人、今日は定時でしたよ」
コラム
すぐに読まれたのに
メッセージは、送ってすぐに読まれました。けれど、返信はなかなか届きません。テーブルに伏せたスマホを、何度も表に返しては画面を確かめました。冷蔵庫には、まだ手をつけていない2人分のおかずが入っています。
言い訳が届いたら、どう返そう。謝られたら、そのまま受け入れられるだろうか。
画面が光ったのは、それから30分ほどたった頃です。
「帰ったら話す」
残業だったとも、違うとも書いていない一言。何度読み返しても、それ以上のことは分かりませんでした。
そして...
玄関の鍵が回る音がしたのは、それから1時間近くたってからでした。廊下に出た私を見て、夫はかばんから参考書と、来月の試験の受験票を出しました。
夫は定時のあと、試験の勉強をしていました。去年のことも、今年は受かってから話したかったことも、途中で言い直しながら話してくれました。
「残業じゃなかったなら、ごはん一緒に食べたかった」
受験票を見てから、私はそう伝えました。次の日から、参考書はダイニングテーブルの上に置かれています。試験までは、あと3週間です。
受かってから話したいと言った夫が、私に見せたくなかったのは、どんな気持ちだったのでしょうか。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)































