「お前の隣の男、誰?」付き合って2年、初めて私を「お前」と呼んだ彼→届いたのは忘年会の座敷の写真

コラム

スマホが短く震えて、彼からのメッセージが届きました。開いてみると、先輩と後輩に挟まれて笑う私の写真。職場の忘年会の終わりに、店員さんに撮ってもらった1枚です。ところが、その下に続いていた言葉は、見慣れた彼の文面とは違っていました。

部署のチャットにしか流れていないはずの1枚

「お前の隣の男、誰?」

写真のすぐ下に、そう届いていました。付き合って2年、彼から「お前」と呼ばれたのは初めてです。

座敷で撮ったその写真は、部署のチャットで先輩が共有してくれたもの。彼に見せた覚えも、送った覚えもありません。念のため彼とのやりとりをさかのぼってみても、忘年会の話は「行ってくるね」の一言で終わっていました。

部署の人と彼は、一度も会ったことがないはず。それなのに、どうしてこの写真が彼の手元にあるのか。考えれば考えるほど、画面の中で笑っている自分が、知らない誰かのように見えてきました。

「どうしたの?」に返ってきた短い言葉

とにかく、聞かれたことには答えようと思いました。

「部署の後輩だよ。どうしたの?」

送ってから写真を拡大すると、後輩は私のほうへ体を傾けて、ピースサインを作っています。会の間、隣の席だった。それだけの写真です。それでも、事情を知らない人の目にはどう映るのか、急に分からなくなってしまいました。

返事は、思ったより早く届きます。

「仲いいんだな」

いつもの彼なら、こんな言い方はしません。言い訳を並べたくなる気持ちを抑えて、一番知りたいことだけを打ちました。

「この写真、どこで見たの?」

送信して、スマホをテーブルに伏せます。しばらくして、天板越しに短い振動が伝わってきました。

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