「俺が浮気しても文句言うな」と言った俺→彼女の妹が鍋の席で決めていたこと

コラム

テーブルに伏せられたスマホの中身を、俺は誰よりもよく知っているはずでした。そこに残っていたのは、俺が自分で打って送った言葉ばかりだったのです。

彼女の妹からメッセージが届いたのは、彼女の部屋で3人で鍋を囲んだ数日後でした。「お姉ちゃんのことで相談がある」。そう書かれた画面を見て、俺は軽い気持ちで会う約束をしました。

鍋の席の軽口

あの日の俺は、彼女に注意されたのが面白くなくて、思いつきで言いました。
「俺が浮気しても文句言うな」
本気で言ったつもりはありません。
ただ、そのとき向かいの妹がどんな顔をしていたのか、俺は見ていませんでした。
後日会ってみると、妹の相談というのは、彼女の誕生日に何を贈ればいいかという話です。
妹はよく笑い、俺の話にも素直に感心してくれました。
2回、3回と会ううちに、俺は妹と話すのが楽しくなっていきました。
彼女には、妹と会っていることを一度も伝えていません。

送ってしまったメッセージ

「お姉ちゃんには内緒ね」と書いてきたのは、妹のほうでした。
俺はそれに乗り、2人きりで出かけようと誘いました。
少し間を置いて、妹からは「いいよ」と返ってきます。
温泉の宿を調べ、2人分の予約まで入れています。
そして彼女には「今日は残業」と送り、駅前のカフェで妹と待ち合わせました。
窓際の席で向かい合い、宿の話をしていたときです。
妹がふいに振り返り、入口のほうへ手を振りました。
「お姉ちゃん、こっち」

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伏せられたスマホ
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