
「ちなみに、手ってどれくらいの大きさ?」と彼女に聞いた俺が、指輪の話のあと返事をしなかった事情
コラム
返事ができなかった数日間
そのメッセージを読んで、俺は彼女の手の写真を閉じました。俺がしようとしていたのは、まさに彼女が困ったことそのものだったのです。
何か返さなければと思いながら、何を書いても計画がばれるか、嘘になる気がしました。迷っているうちに、返事をしないまま数日が過ぎていきます。彼女を不安にさせていると分かっていたのに、先送りにしたのは俺の弱さでした。
指輪はやめて、気持ちだけでも渡そう。そう決めて文具店で便箋を買い、手紙を書きました。字が下手で、何枚も書き直しました。
誕生日の前日になって、ようやく送ったのがこのメッセージです。
「明日、会ったら最初に謝らせて」
少しして、彼女から「わかった」とだけ返ってきました。理由を聞かれなかったことに、どこかほっとしていました。
そして...
待ち合わせの改札で彼女と顔を合わせると、俺はまず頭を下げました。変な質問をしたこと、何日も返事をしなかったこと。差し出した紙袋の中身は、ハンドクリームと封筒が1つだけです。
封筒を見た彼女は、こう言いました。
「本当は、手紙がいちばんほしかったんだ」
ハンドクリームと答えた彼女は、初めから手紙を待っていたのかもしれません。俺は「じゃあ、帰ってから読んで」と笑って返しました。
手紙の最後には、指輪は一緒に選びに行きたいと書いてあります。その夜、彼女からメッセージが届きました。
「来月、指のサイズ測りに行こうね」
サイズの合わない指輪に困った彼女と、サイズが分からずに困った俺。来月、2人で店に行って、ようやく同じ数字を知ることになります。
(20代男性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)































