
午前2時、彼女に「起きてる?」と送って取り消した俺→その続きに打とうとしていた一言
コラム
取り消したあとに届いた「起きてるよ、どうしたの?」を、俺は開けませんでした。開けば、何があったのかを話さなければいけなくなるからです。
暗い部屋で、何度も寝返りを打っていました。枕元の時計は、午前2時過ぎ。気づけば、付き合って8ヶ月になる彼女とのチャットを開いていました。
彼女の誕生日のために引き受けた案件
その日、俺が担当していた案件で大きなミスが見つかりました。来月の彼女の誕生日に連休を取るため、前倒しで引き受けた仕事です。上司には「明日の打ち合わせで説明しろ」と言われていました。
説明がうまくいかなければ、案件は延びて、連休は取り消しになるかもしれません。誕生日の旅行は、彼女がずっと楽しみにしている予定でした。
布団に入っても、同じ場面ばかりが頭の中でくり返されていました。彼女の声が聞きたい。そう思って、打ったのがこれでした。
「起きてる?」
送信してすぐに、続きに何を書くつもりなのか考えました。誕生日の休みが危ないと書けば、彼女は自分のせいだと思うかもしれない。俺は慌てて、送信を取り消しました。
返事が来ても、開けなかった
しばらくして、ロック画面に彼女の返事が表示されました。
「起きてるよ、どうしたの?」
開いて返せば、きっと全部こぼしてしまいます。結局、既読をつけないまま、スマホを伏せて目を閉じました。
目覚ましが鳴ってから、迷った末に一言だけ送りました。
「ごめん、なんでもない」
打ち合わせが終わって、休みが守れると分かってから話そう。そう決めていました。
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打ち合わせの最中に鳴った電話




























