
既読は毎日12時03分だった彼→つかなくなった昼休み、社員食堂で見た彼の姿に、私は何を思った?
コラム
社員食堂の隅の席
混み合う食堂の中を見回すと、いちばん奥の窓際の席に彼の背中がありました。1人です。誰かと向かい合っているわけではありませんでした。
少し近づいてみると、テーブルの上にはトレーの代わりに分厚い参考書とノートが広げられていました。彼はペンを走らせ、ときどきページをめくっては、何かを小さくつぶやいています。スマホは画面を下にしてテーブルの端に置かれ、一度も手に取られることはありませんでした。
声をかけかけて、口を閉じました。あれほど真剣な横顔を、私は見たことがなかったのです。
私はそのまま食堂を出て、自分の席に戻りました。休憩が終わる頃、いつものように通知が届きました。
「ごめん、ちょっとバタバタしてた」
そして...
バタバタしていたわけではありませんでした。悠真は毎日、あの隅の席で何かに向き合っていたのです。
どうして一言も言ってくれなかったのだろう。何のための参考書なのだろう。仕事を終えてから、私は短いメッセージを打ちました。
「今日、食堂にいたよね」
送信してすぐ、既読がつきました。休憩中でもないのに、こんなに早くつくのは久しぶりです。彼がどんな答えを返してくるのか、私は画面から目を離せずにいました。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)




























