
「今日も自習室来た」と母に送り続けた俺→6月の写真を撮った頃のことを、母にまだ言えていない
コラム
言い訳をいくつも打っては消して、送れたのは短い謝罪だけ。母から返ってきたのは、怒った言葉ではありませんでした。それでも、まだ話せていないことが1つ残っていました。
その少し前、ドリンクバーのメロンソーダを手に席へ戻ると、友達がテーブルにカラオケの割引券を並べていました。母には、いつものように自習室の写真を送ったばかり。その写真の隅に何が写っていたのか、俺は気にもしていませんでした。
本当に通っていた6月
高校2年の6月、俺は本当に毎日、塾の自習室に通っていました。期末テストで点を取りたくて、閉まる直前まで粘った日もあります。
着いたら写真を送るようになったのも、その頃です。母から「毎日えらいね」と返ってくるのが、少しだけ嬉しかったのです。
撮りためた写真を使い回して
夏休みが明けると、クラスの友達に誘われて、帰りにファミレスやカラオケへ寄る日が増えました。それでも母には「今日も自習室来た」と送り続けていました。
添えたのは、6月に撮りためていた写真です。今さら行っていないとは、どうしても言い出せませんでした。毎日えらいねと言われていた頃の自分を、手放したくなかったのだと思います。
その日も、ファミレスでテーブルのスマホを見ると、母から2件のメッセージが届いていました。
「前のカレンダー、6月になってるよ」
「今どこにいるの?」
自分の送った写真を開くと、壁のカレンダーに傘とあじさいの絵。撮った時には、気にも留めていなかった絵でした。
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怒られなかった帰り道





























