
「冷蔵庫の中、何もないな」と言った彼→数日後、洗面台の下に押しこまれていた3本の柔軟剤
コラム
使いかけの柔軟剤は、まだ半分も残っていました。それなのに、未開封の3本が袋に入ったまま押しこまれていたのです。
玄関の開く音がして、彼がドラッグストアの袋を提げて帰ってきました。おかえりと声をかけると、彼は返事より先に洗面所へ向かいます。台所に入ってきたときには、その手から袋は消えていました。
冷蔵庫の前の一言
彼は冷蔵庫を開けると、中をしばらく眺めていました。
「冷蔵庫の中、何もないな」
同棲して3年、食料品の買い出しは、スーパーに近い職場の私が受け持っています。
その週は帰りが遅い日が続き、確かに中は空っぽでした。
「ごめん、買い物行けてなくて」
「いや、そういうんじゃなくて」
彼はそう言ったきり、冷蔵庫を閉めて麦茶のポットだけを出しました。
そういうのじゃないなら、どういうことなのか。
責められたようで、その日はなんとなく口数が減ってしまいました。
帰ってきた彼が先に洗面所へ寄ったことも、そのときは気にも留めていなかったのです。
洗面台の下の袋
数日後、久しぶりの休みに洗面台の下を掃除していたときです。
奥のほうに、ドラッグストアの袋が押しこまれていました。
引っぱり出すと、中には柔軟剤のボトルが3本。
どれも違うメーカーのもので、封はすべて開いていません。
使いかけの柔軟剤は、すぐ横にまだ半分ほど残っています。
あの日、彼が提げていた袋に違いありませんでした。
冷蔵庫には何もないと言った人が、食べるものではなく柔軟剤を3本も買っていた。
ボトルを並べて首をかしげていると、背後で洗面所のドアが開く音がしたのです。
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開けないでと言われたボトル




























