
「俺が浮気しても文句言うな」と言った俺→彼女の妹が鍋の席で決めていたこと
コラム
伏せられたスマホ
顔を上げると、ドアの前に彼女が立っていました。
妹は自分の隣の椅子を引いて、彼女を座らせます。
「違うんだ、これは」
俺が身を乗り出しても、妹の表情は変わりません。
テーブルの上で、妹のスマホはいつの間にか伏せられていました。
「全部見せるから、最後まで聞いて」
妹の言葉に、俺は言い訳を探して口を開きかけ、また閉じました。
妹が画面を表にすると、並んでいたのは俺が送ったメッセージです。
彼女はバッグを膝に置いたまま、最後まで画面から目を離しませんでした。
彼女が顔を上げると、妹は彼女の肩を抱いて店を出ていきました。
その夜、妹から俺に1通だけメッセージが届きます。
「鍋の日にあれを聞いて、お姉ちゃんが言い返せないなら、私が確かめるって決めたの」
あの鍋の席で妹が箸を置いたことに、俺は気づいてもいませんでした。
そして...
彼女は最後まで、一度も俺を責めることはなかったのです。
数日後、俺の部屋のポストに入っていたのは、彼女に渡していた合鍵でした。
彼女の部屋に置いていた俺の服も、紙袋にまとめられて玄関の前に置かれていました。
2人分予約していた宿のキャンセル料は、俺が1人で払うことになります。
共通の友人の集まりにも、それきり声がかからなくなりました。
浮気しても文句を言うなと言ったのは俺で、彼女は本当に一言の文句も言わないまま、俺の前からいなくなりました。
(20代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)































