
1か月会ってくれなかった彼女が、駅のロータリーに車で現れて「乗って」
コラム
待ち合わせはいつも改札の前なのに、その日の彼女はロータリーを指定してきました。目の前で止まった白い車の窓が、ゆっくりと下がって…。
スマホを耳に当てたまま、ソファの上で壁のカレンダーを眺めていました。付き合って1年半の彼女とは、先週も会えずにいました。電話の向こうの彼女の声は、どこか急いでいるように聞こえました。
電話で言われたこと
「今週も、会えないの」
そう聞くと、彼女は少し間を置いて答えました。
「ごめん、ちょっと用事があって」
用事の中身を聞いても、彼女ははっきり言いませんでした。重ねて聞くと、声が少し硬くなったのが分かりました。
「暇な時だけ呼ぶから」
そう言って、彼女は電話を切ってしまいました。画面に残った通話時間は、2分にも届いていませんでした。ソファの背にもたれたまま、しばらく真っ暗になった画面を見ていたと思います。
電話の向こうで、カチカチという小さな音が鳴っていたのが、耳に残っていました。何の音なのか、そのときは考えもしませんでした。
呼ばれなかった1か月
それから1か月、彼女からの誘いはありませんでした。メッセージは届くものの、週末の話になると返事が短くなりました。
1人の週末の部屋は、思っていたより広く感じられました。こちらから誘うのも、なんとなく負けたような気がしてできずにいたのです。
1か月がたったころ、彼女からメッセージが届きました。
「今週末、暇になった」
続けて、もう1通。
「駅のロータリーで待ってて」
待ち合わせはいつも改札の前なのに、なぜロータリーなのか。聞き返そうとして、結局やめておいたのです。
当日、ロータリーの端に立っていると、白い車が1台、ゆっくりと近づいてきました。
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運転席の彼女




























