1か月会ってくれなかった彼女が、駅のロータリーに車で現れて「乗って」

コラム

運転席の彼女

車は俺の目の前で止まり、運転席の窓が下がりました。
「乗って」
ハンドルを握っていたのは、彼女でした。付き合ってから、彼女が運転する姿は一度も見たことがありません。
「運転できるの?」
思わずそう聞くと、彼女は小さくうなずくだけでした。後ろの窓には、レンタカーのステッカーが貼られていました。
助手席に乗りこむと、彼女はミラーを確かめ、慎重にウインカーを出しました。ハンドルを握る手は、少しこわばって見えました。
「どこ行くの」
「着いたら話す」
彼女は前を見たまま、それだけ言いました。車はロータリーを出て、高速道路の入口へ向かっていったのです。

そして...

窓の外を流れる案内標識を、黙って目で追っていました。
1時間ほど走って車が止まったのは、海沿いのサービスエリアの駐車場でした。エンジンを切った彼女は、少し照れたように笑ってから、この1か月のことを話し始めました。
聞き終えた俺は、頭をかきながら「そういうことは、先に言って」と笑うしかありませんでした。帰りの運転は、俺が代わりました。
「暇な時だけ呼ぶから」と言った彼女は、会えなかった1か月の週末、いったいどこで何をしていたのでしょうか。

(20代男性・販売職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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