「会いに来るのはいつも私じゃん」と言われた俺が、彼女の実家に内緒で通い続けた事情

コラム

棚の奥

気まずさをごまかすように、彼女はお土産を持って台所へ向かいました。棚の扉が開く音がして、しまったと思ったときには、彼女が一番上の紙袋を手に取っていました。
「これ、どうしたの?」
「ちょっと用事があって」
それしか言えず、彼女の手から紙袋を受け取って、棚の奥に戻しました。
そのあと近くの店でごはんを食べている間、彼女はほとんど口を開きませんでした。何を考えているのか、分かるようで聞けないままでした。

そして...

部屋に戻ると、テーブルに置いていたスマホが鳴りました。画面の「お父さん」の文字を見て、スマホをつかんでベランダへ出ました。
「来週も来るのか」
「はい、来週も行きます」
少し間があって、お父さんが言いました。
「次は、あの子も連れて来なさい」
ガラス戸の向こうで、彼女がこちらを見ているのが分かります。電話を切ったら、棚の奥の紙袋を彼女の前に全部並べて、1枚ずつ話そうと思います。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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