「3か月だけ、待ってほしい」とエレベーターで頼んだ俺→会社の掲示板に出ていた、自分の部署の知らせ

コラム

リーダーと呼んだ日

会議室で彼女が扉を開けたとき、どんな顔をすればいいのか分かりませんでした。
「本日からお世話になります。よろしくお願いいたします」
初対面の相手にするように、深く頭を下げました。
名刺を差し出す彼女の手は、少しぎこちなく見えます。
チームの前で親しくすれば、彼女が恋人を引き入れたと思われるかもしれません。
だからその日は、最後まで「リーダー」と呼び続けました。
メッセージに「あとで」としか返せなかったのも、職場でやりとりするのが怖かったからです。

そして...

エレベーターで2人きりになって、階数の表示を見上げたまま、ようやく口にしました。
「3か月だけ、待ってほしい」
試用期間が終わったら全部話して、届け出を出すつもりでいます。
そのあと配属が変わることになっても、構わないと思っています。
1階で先に降りたのは、彼女の前でうまく説明できる自信がなかったからでした。
落ち着きがなかったのは、彼女の背中を追いかけて、会社まで変えてしまった俺のほうでした。

(30代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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