「猫を飼う女は寂しい女」と言った俺→ベッドの下の猫にささやいていた言葉

コラム

ベッドの下にささやいたこと

ある週末、彼女が台所に立ったすきに、床に腹ばいになりました。
彼女が戻ってくる足音には、まったく気づいていませんでした。
「あの日はごめん。俺も、ずっと猫と2人だったんだ」
小さな声でそう話しかけると、猫がほんの少しだけ前に出てきます。
そのとき、後ろから彼女の声がしました。
「何してるの」
「別に」
とっさにそう返して、体を起こしました。見られていたと分かって、顔が熱くなりました。
膝のほこりを払うふりをして、彼女と目を合わせないようにしていたのです。

そして...

お茶を受け取ってから、床に座り直して彼女を見上げました。
「笑わないで聞いてくれる?」
子どものころの猫のことも、からかわれていたことも、全部話したのです。
彼女は笑わずに聞いてくれましたが、猫はその間に一度だけ出てきて、俺の靴下をかいでまた戻っていきました。
ソファではなく床に座っていた理由も、そのとき一緒に話しました。
懐いてもらえる日は、まだ先のようです。
寂しかったのは猫を飼う女ではなく、猫に背を向けられて、毎週床に座り込んでいた俺のほうでした。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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