「映画の趣味が合わない女は無理」と言った俺→売店でパンフレットを買ったわけ

コラム

パンフレットで確かめたこと

ロビーで「ちょっと待ってて」と言い、売店でパンフレットを買いました。ロケ地の一覧に、あの商店街の名前があるか確かめたかったのです。名前は最後のページにありました。
「どうだった?」
彼女にそう聞かれて、口にできたのはこれだけです。
「最後まで見てよかった」
実は2年前から、休みの日にパン作りの教室へ通っています。いつか、あの商店街で店を開き直したいからです。地味な暮らしになると思うと、彼女には言い出せずにいました。いつものお茶を断って「帰ろうか」と言ったのも、どこから話せばいいのか考える時間がほしかったからです。

そして...

帰りの電車では、パンフレットの表紙ばかり見ていました。彼女はああいう映画を選ぶ人なのだと、あらためて思ったのです。
改札を出たところで、足を止めました。
「話してないことがある」
商店街のこと、両親の店のこと、パン作りの教室のことを順番に話しました。彼女は最後まで聞いてから、「なんで今まで言わなかったの」と少し怒った顔をしました。そのあとで、今度その商店街に連れて行ってほしいと言ってくれました。
趣味が合わないと思っていたのは、俺が自分の好きなものを見せてこなかっただけでした。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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