「年上ぶるな」と言った年下の彼→数週間後、「今日だけは、年上として聞いてほしい」とお願いされた

コラム

「今日だけは、年上として聞いてほしい」。数週間前に私を突き放した彼が、正座してそう言いました。ノートに並んでいた質問は、誰のためのものだったのでしょうか。

彼の部屋のローテーブルに、ノートパソコンが開いたままになっていました。画面には、転職サイトの求人がいくつも並んでいます。3つ年下の彼から、仕事を変えたいという話は聞いたことがありませんでした。

求人の画面と彼の一言

お茶を淹れて戻ると、彼は慌てる様子もなく画面を私に向けました。
「転職しようと思ってる」
付き合って2年、彼が仕事の愚痴をこぼしたことはほとんどありません。驚いたのもあって、つい口が先に動いていました。
「辞めるなら、次を決めてからのほうがいいよ」
「年上ぶるな」
彼はノートパソコンを閉じて、キッチンへ行ってしまいました。
3つ年上なのは事実です。それでも、心配して言ったことをそんなふうに返されるとは思いませんでした。マグカップのお茶が冷めていくのを、ただ眺めていたのを覚えています。

数週間ぶりのメッセージ

その日から、彼との連絡は少しずつ減っていきました。こちらから送っても、返ってくるのは短い返事ばかりです。
数週間がたったころ、彼からメッセージが届きました。
「次の休み、少し時間ちょうだい」
年上ぶるなと言われた手前、どう返せばいいのか迷いました。「いいよ」とだけ送ると、すぐに「ありがとう」と届きます。
当日、私の部屋に来た彼は、見たことのない紺のジャケットを着ていました。ローテーブルの前に正座して、鞄からノートを取り出します。
「今日だけは、年上として聞いてほしい」
彼はそう言って、ノートの表紙をめくりました。

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ノートに並んだ質問
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