
すぐに芝居だと気づいた俺が、恋人の友人に帰ってもらった事情→テーブルに置いた紙袋の中身
コラム
ドアを押さえた理由
俺は恋人の友人に向き直りました。
「悪いけど、今すぐ帰ってくれる?」
恋人が「待って、これは」と言いかけましたが、「あとで聞く」とだけ返しました。説明を聞けば、恋人は謝り続けて、今日の話ができなくなる気がしたのです。
ソファのコートを取り、玄関でドアを押さえて差し出しました。恋人の友人が靴をつっかけて出ていくのを見送り、軽く頭を下げてドアを閉めたのです。閉まる直前に見えた恋人の友人の顔は、戸惑ったままでした。
そして...
部屋に戻ると、恋人はスマホを握ったまま立っていました。
俺は紙袋から花束と小さな箱を取り出し、5年分の返事をしたのです。恋人はしばらく箱を見つめてから、うなずいてくれたのです。
後日、恋人を通して、あの日の友人に謝りの連絡を入れました。返ってきたのは「おめでとうございます」という一言だけでした。
あのとき俺が本気で追い出したかったのは恋人の友人ではなく、5年間「そのうちね」と言い続けてきた自分のほうだったのです。
(20代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)




























