妻が帰ってきたのも、牛乳を頼まれたのも知っていた→「ねえ、見てる?」にも俺が返さなかったわけ

コラム

とっさに出た言葉

着信音が止まってすぐ、背中のほうでドアが開き、妻の声がしました。

「いるなら言ってよ」

何も知らない顔を作って振り向き、とっさに口から出たのはこれでした。

「あ、おかえり。ごめん、気づかなかった」

モニターでは、ボス戦が止まらずに続いたまま。妻の目が、俺の肩越しにその画面へ向き、こう言いました。

「ゲームしてたんだね」

ここまで来たら、行くしかありません。画面と妻の顔を見比べてから、椅子を立ちました。

「ごめん、牛乳今から買ってくる」

上着をつかんで妻の横をすり抜け、家を出ました。

そして...

コンビニへ向かいながら開いたチャットでは、並んでいた4件に一斉に既読がつきました。「ちょうどボス戦だったから」と打ちかけて、消しました。今さら何を送っても言い訳にしかならない気がして、画面を閉じたのです。

牛乳と、自分のエナジードリンクを買って家に戻りました。冷蔵庫に牛乳をしまっても、リビングにいた妻は、こちらを見ずにテレビをつけたままでした。

部屋に戻ると、ボス戦は負けて、最初からやり直しになっていました。それでも、そこまで怒ることだろうかと、まだ少し思っています。

連休の誘いには、まだ返事をしていません。

(30代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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