「専業主婦なんだから完璧にしろよ」と妻を叱った俺が、家事と育児を任された1日に母から聞いた事情

コラム

ベビーカーを押して歩いた公園で、俺は母に電話をかけました。子どもの頃から当たり前だと思っていた家の光景が、その電話で違って見えたのです。

事の始まりは、数日前の夜でした。ドアを開けると、炒め物のにおいと息子の泣き声が一緒に流れてきました。リビングの床には、おもちゃが一面に広がっています。仕事帰りの重たい足のまま、俺はその光景を見下ろしていました。

妻にぶつけた言葉の正体

「なんでご飯できてないの?」

かばんを置くより先に、そう口にしていました。「今日はずっと抱っこじゃないと泣いてて」。妻の説明を最後まで聞かずに、声を荒らげてしまいます。

「専業主婦なんだから完璧にしろよ」

妻の腕の中で、息子がまた泣き出しました。

俺の母は、ずっと専業主婦でした。部活から帰ると夕飯ができていて、お風呂が沸いていて、部屋にはほこり1つない。そんな家で育ったので、妻にも同じことができると思い込んでいたのです。

ただ、本音はもっと単純でした。仕事から帰ったら、何もかも片付いた部屋でくつろぎたい。それだけの理由で、俺は妻に完璧を求めていました。

あの日から妻は、俺が帰るまでに部屋を整えるようになりました。それを当然のように受け取っていたのです。

余裕だと思っていた1日

次の休日、妻は実家の片付けを手伝いに行く予定でした。前日に「明日は1日、家のことお願いね」と言われ、俺はテレビを見たまま「それくらい余裕だよ」と返します。

妻が出かけると、思い通りにいかないことばかりでした。麦茶の場所さえ分からず、「麦茶ってどこにある?」と送りました。教えられた場所から出した麦茶は、すぐに息子がこぼしてしまいます。洗濯機を回せば泣き出す。抱っこしても寝ないので「昼寝してくれないんだけど」と送ると、「ベビーカーで外を歩くと寝るよ」と返事が届きました。

散らかった部屋のまま、ベビーカーで家を出ます。

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