「専業主婦なんだから完璧にしろよ」と妻を叱った俺が、家事と育児を任された1日に母から聞いた事情

コラム

公園のベンチでかけた電話

公園を何周かしたころ、息子はようやく眠りました。ベンチに座ると、ふと母の顔が浮かび、電話をかけます。

「母さん、俺が小さい頃、家のことどうやってたの?」

電話の向こうで、母は少し笑いました。

「毎日くたくただったよ。あんたが帰ってくる前に、必死で片付けてただけ」

俺が見ていたのは、母が間に合わせたあとの家だけだったのです。

帰っても部屋は片付かず、洗濯物も取り込んだだけ。カップ麺を出したところで息子が目を覚まし、ソファで寝かしつけたまま座り込んでいると、玄関の鍵が回る音がしました。

「おかえり」

そう声をかけると、妻は部屋をひと通り見回してから口を開きます。

「1日家にいたのに、完璧じゃないね」

あの日の自分の言葉が、そのまま返ってきたのです。俺も部屋を見回し、言い訳を探しかけて、やめました。

そして...

息子の頭をクッションに移し、脇にもクッションを添えて、ソファから立ち上がります。

「ごめん。俺、ずっと勘違いしてた」

積み木を拾い始めると、妻も隣にしゃがみました。妻は少し間を置いて言いました。

「じゃあ、お風呂は毎日お願いね」

母との電話のことも、楽をしたかっただけの本音も、まだ妻に話せていません。あれから、お風呂は俺の担当です。部屋が散らかっていても、文句より先に、積み木を箱に戻すようにしています。

(30代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

  • X
  • Line